柵をさくっと切ってお刺身食べる(。・_・。)

お刺身のサクの目利きちゃんになろう

年末年始の寒い時期と言えば...お刺身!?
朝はとっても寒いし、吐く息は白いし、炊事選択で触れる水はとっても冷たくてくしゃみ連発な年末年始に近付いてきましたね。暖房費を節約しているけど寒くて鼻がぐずぐずでティッシュペーパーの消費が激しくて困ったわ〜となったり、お皿を洗うのが冷たくて嫌だわ〜となったりしている人もいるこの季節。ふと親戚からマグロの塊を貰って「どうしよう...」と困っている人もいることでしょう!(.え?珍しい??)
そんな訳で、今回は貰ったマグロがどんな部位なのかをこっそり把握しつつ、スーパーで自分がサクを買う時に知っておきたいサクの秘密を説明していきたいと思います。その後、お刺身をする時の基本的な切り方について説明する予定です。尚、マグロにも「本マグロ」「ミナミマグロ」「キハダマグロ」「バチマグロ」「ビンチョウマグロ」等など色々な種類がありますが、ここではマグロと言えば回転寿司で人気な「ビンチョウマグロ」、略してビンチョとして主に説明していきます。
マグロのサクの見分け方
マグロって解体したことがありますか?普通は無いし、私も頭付きの物を切った事は無いのですが、切ったらどんな風になっているのかをイメージをすることは結構簡単に出来たりします。というのも、マグロは実は大きなサバ(マグロはサバ科)なので、サバを3枚おろしに捌いた事がある人ならそれを大きくした物だとイメージにすれば大丈夫(包丁も大きいのが必要だけども...)だったりします。魚なんて捌かないよ〜と言う形は、サバの缶詰の中身をイメージして貰っても良いです。他には、アジの開きをイメージして貰っても良いですし、サンマの塩焼きをイメージして貰っても良いです。マグロも同じ魚なので、全体的な雰囲気はあんなかんじです。
3枚におろした魚(簡単に言ってしまうと、食べない内蔵の部分と垂直方向の骨を除いただけ)ですが、まだ水平方向の小ぶりな骨が残ってます。アジのような骨の柔らかい魚は毛抜きを使って残った骨を肉から抜き取れますが、タイやヒラメ、そしてマグロのような大きな魚を毛抜きで抜くには硬過ぎて無理なので、もう一回水平方向の骨の上下を切り落とします。そうすると上下(背中と腹)がそれぞれ左右2組の合計4枚に分けることが出来ます。この1枚分ですが、元々の魚の4分の1になっているので「シブイチ」と呼んだり、「丁」と呼んだりします。
さて、ここからが本番です。この4枚に分かれた魚の切り身ですが、場所によって油のノリが違います。骨に近い部位は体幹の筋肉質な部位ですので身が引き締まっていて「赤く」なります。一方、骨から離れて皮の近くになってくると筋肉に対して油が占める割合が増えます。ラードや牛脂をイメージして貰うと分かり易いですが、油は白いので、油の白と赤が合わさってピンク色の肉になってきます。特にお腹の油がある場所は「ハラミ」と呼ばれます。尚、普通のマグロですと赤身の比重が大きいので油がのっている場所に応じて「中トロ」「大トロ」と呼ばれたりしますが、ビンチョの場合だと寧ろ赤身が少なく、殆どが「中トロ」以上になってます。ビンチョの場合だと実は赤身がレアなんですね。
もし油が好みでなければ体の中心部に近い部位を、油が強いのが好みだったら皮に近い方を選べば良いことになります。ただ、それでは実際にどういった形のサクが該当するの?となる訳ですが、4枚に切り分けた切り身からサクにするのには色々な方法があったりします。と言うのも、ビンチョといっても1mを超えるものから、サバと大差無い30cmくらいしかない可愛いビンチョまでいるので同じように切り分ける事は出来ないのです。サンマをサクにしてみようと想像してみて下さい。細かく切り分けたくなるでしょうか?もう面倒なので「全部一緒だろう!」となると思います。これと一緒で、大きい魚でないとサクには出来ません。ですから、しっかりと長方形になっているサクがあるビンチョであれば大きいものを使っているのだな〜と思って見てみると良いです。
では大きいビンチョのサク取り(サクを作る為に切り分ける)ことの例をあげます。まずは、生では食べ難い血合いを取り除きます。次に、赤身の部分を切って三角形のサクを作ります。その後、血合い側から皮の少し手前にある筋の所までL字型に均等にカットして長方形の板のような形に切っていくのです。
絵では切る順に1〜4の番号を振りました。この中で、実際にお刺身として加工する場合に一番切り易いのは赤身の1番になります。と言うのも、ビンチョはとっても身が柔らかくて崩れやすいので身がしっかりとした赤身が一番切り易いのです。但し、三角形になってしまっているので見た目はあまり良くありません。2番ですが、これは血合いをくの字の形で取り除く為に片面が凹んでます。その為、お刺身として切ると綺麗な長方形にはならないです。それがどうしても気になるならば避けた方が良いかもしれません。サクにしてお店に並べる時は凹んでいる面を下にして並べたりするので横から覗いてみると良いです。3番目のサクは一番綺麗です。全ての面が切って加工している面になるので一番長方形の板の形をしています。4番目は3番目に一見似てますが、1番目のカットによっては角が欠けた形になっています。また、失敗すると筋が残ってしまうのでこっそり修正した跡があったりしてやや綺麗ではありません。場合によっては修正が面倒なので筋が一部残っているサクも見かけたりします。但し、油がのり易い部位です。このように、部位によってやや差がありますのでお好みの所を選んで下さい。
尚、筋から外側の部分はどうするの?と思う方もいると思います。ここは筋より内側のサクと同じように筋を避けて切れば良いのです。が、直ぐ外側の皮の手前にも筋があったり血管があったりするし、皮の近くの肉は魚を取る時にぶつかり合って打撲してしまったのか、内出血の跡の様なものも良くありますので、筋を避けると共に皮をやや大きめに避けて切り取らないといけません。更に、ヒレの骨があったりするので、大きいビンチョでないとあまり綺麗に取れる部分が無いので加熱用にしたりします。ただ、あまりにもビンチョが小さ過ぎる場合はこの部分を取り除くと食べられる部分がほんの少しになってしまうので、筋を放置しているサクになっているのも良く見かけたりします。これはあまり美味しいビンチョとは言えないので、その分だけお値段は安くなっていますが頭に入れておいて下さい。
ここまでは背中側の説明でしたが、腹側も基本的な考え方は一緒です。但し、内臓の部分があってその周囲に残った骨も取り除くので、結構でこぼこしています。また、背中と同じように血合いの部分もあるので、あっちもこっちもでこぼこしてしまっているのです。
その為、油はのっているのですが5番と6番のサクの両方とも綺麗な形になりません。その辺の理由もあるのか、腹よりも背中(天身)の方が価値があると言われています。尚、一番油がのっているのは7番の所(ハラミ)ですが、大きなビンチョでないと薄過ぎてサクに出来ません。また、サクにしたとしても斜めに強めの筋が入っていて切り難いし、簡単にほぐれてしまうのでお刺身には向いていないと思います。スプーンで筋に沿って身を剥いで剥き身にすると美味しいと思います。因みに、5番と6番ですが、図のような水平方向に切るのではなく縦に切ることもあります。ビンチョ以外のマグロであれば、中トロと赤身を分けるでしょうから縦に切った方が良いのです。
以上で、背と腹の部位の特徴の説明は終わりですが、実は今までの話は一つ盲点があります。それは今までの説明が輪切りにした断面での説明だったからです。本当の魚は、実物を思い出して貰えればわかるようにお腹の部分が一番太くて尾にかけて細くなっていきます。魚の胸の所から尾の近くまでの長さは50cm位あり、普通の家庭で使うには長い(つまり、お値段が高い)ので真ん中で切って分割します。すると、分割した尾の側のサクはどうしても三角形に近い形になってしまうことが分かると思います。
実際にどうなのかな〜?と思ってスーパーでサクを見て貰えると分かるのですが、かなりのサクが長方形ではなくて三角形っぽい形になってます(因みに、台形っぽいのは形は良くないけど油がのり易い部位)。これはつまり、尾に近い方のサクだと言えます。これの何が問題かと言うと、尾に近付くとかなり強い筋が赤身の部分まであるのです。筋があると切り難いですし、食べた時にも食感も良くありません。また、サクになっている状態では気を付けて取り除くので殆ど無いとは思いますが、尾の近くには斜めに入った骨があり、それをしっかりを避けると抉れますし、避けないと血合いが残ります。栄養素的には尾は激しく運動する部位なので良いとは思いますが、お刺身にするには微妙です。
サクを買った後の注意事項
魚全般に言えることでもあるのですが、マグロのようなサバ系の魚は痛み易いです。マグロはよく冷凍で売っていますが、一回解凍してしまった物を再度冷凍すると黒っぽくなり「マズ〜」となります。すると、鮮度を気にして冷凍しておきたいものですが、完全に凍っていると包丁で切ることが出来ませんし、何とか切れる状況であっても、切る際に体重を乗せて切ると身が欠けたり割れたりしてしまいます。一番良いのは、食べるよりも半日以上前から冷蔵庫に入れてじわじわ解凍することです。流水での解凍も出来ますが、表面は切る時に崩れでぐずぐずになってしまうのに中は硬くて切り難い状態になってしまうので、手間なのですがじんわりゆっくり解凍がお勧めです。
今回はサクの話がメインになってしまいましたが、サクだけあってもお刺身は作れません。次からはお刺身を上手く切る為の方法について説明していきます。
お刺身はどうすれば上手く切れる?技術の前に重要なこと
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最終更新日:2015年12月17日